濱田治

和紙職人・濱田治さん―
高知県生まれ。
土佐典具帖紙で重要無形文化財 「人間国宝」として認定された濱田幸雄氏を祖父に持つ。
土佐和紙とは、原料生産・用具製作・抄紙技術が三位一体となって作られる。全国有数の和紙原料生産の高知、すぐれた用具生産の伝統、薄くて強い紙をすく独特の深い技術。これらの要素が見事に融合することで、土佐和紙の高い品質や種類の豊富さが生まれた。

自分自身の手で何かを作り上げる―
-職人を目指したきっかけを教えてください。
濱田治さん(以下H):インテリア関係の職を離れたとき、地元でもある「いの町」の土佐和紙工芸村で、土佐和紙の研修の案内を見つけたんです。2005年が最後というのを知り、実家が手漉き和紙の製作をしているということもあって、これを始めてみようと思いました。自分自身の手で何かを作り上げるということにも興味がありましたね。周りの環境が整っていたというのも一つの理由です。私にとって、この仕事が自分自身を見つめなおすきっかけになったともいえますね。
-職人を目指すにあたって特に影響を受けた人、ものなどはありますか?
H:第一は、人間国宝にも認定されている祖父「濱田幸雄」の存在が大きかったですね。それと私の周りにものづくりをしている友人が多く、いろんな意味で刺激を受けました。和紙以外の芸術作品や、写真、音楽など、さまざまな分野で活躍されている方たちの生き様みたいなものも影響していると思います。
濱田治

―職人になって良かったと思う瞬間を教えてください。

H:もちろん一番は、お客様に喜んでもらえた時。それと自分が作ったもので生活ができているということに、心から感謝しています。工房で一人きりで制作しているとよく思いつめることもあるんですが、自分自身の忘れかけている何かをつかめそうな気がする瞬間に出逢えることも。そういう意味で続けていて良かったと思います。

―和紙を作るとき、大切にしていることは何ですか?

H:和紙の厚さを均一にすること。あと、原料が生ものなので腐りやすいため管理に気をつけています。主な原料としては、コウゾ・綺麗な水・ねり(トロロアオイ)に、顔料などです。高知はコウゾの生産量が全国でもトップクラスなんですよ。

―濱田さんにとって和紙とは?

H:今の自分にとってなくてはならない存在ですね。和紙は、季節・気温・湿度の変化で仕上がりも変わる、非常に奥が深いものなんです。まだまだ自分自身に納得していないので・・・
まだまだこれからですね。

―最後に読者の方へ一言お願いします。
H:現在、制作した和紙は主にふすま屋や表具店に卸しているんですが、今後は土佐和紙をより多くの人に広める意味でも、個展などを開いてみたいと思っています。皆さんにとってはなかなか身近なものではないかもしれませんが、是非一度手にとってみてください。きっとこの魅力に気付いていただけるはずです。
濱田 治 [Osamu Hamada]
1998年 高知工業高等学校インテリア科卒業
2005年 土佐和紙の研修開始
2007年 クラウド内に手漉き工房設立