

素朴堂 草流舎
吾川郡いの町3811 088-892-1045
11:00~17:00 水・木曜休
http://www.h2.dion.ne.jp/~souryuu/


高知市より西へ車で20分ほどの場所にある「いの町」は、古くから仁淀川と紙で栄えた町として知られる。中心地に程近い天神通を南へ歩くと、大正5年に建てられたという紙問屋が風情ある佇まいを見せている。こちらで「素朴堂 草流舎」を営む田村多美さんが手掛けるのは、郷土玩具でもある「張り子」。そのコロンとした優しいフォルムと素朴な表情からはホッとするような温もりが感じられ、眺めているだけで心が和む。
張り子とは、竹や木などで組んだ枠、または粘土で作った型に紙などを張りつけて成形する造形技法のひとつ。中空になっており外観と比較して軽いものが大半を占める。「はりぼて」とも言われ、用いられる紙は「混凝紙(こんくりがみ)」とも呼ばれる。全国各地では様々な紙が使われているが、ここ草流舎では銘品として名高い土佐和紙を使用。さらに型は土佐出身の女流日本画家である山本香泉が制作したものを用いて復元するという何とも贅沢な仕様。まずは型を元に粘土で形を作り、土佐和紙を何重にも重ねていく。そこへ「無患子(むくろじ)」という植物の種を入れ、絵付けをすれば完成。言葉で表現すれば簡単に聞こえるが、土佐和紙を丁寧に丁寧に重ねていくことが良い作品になるポイントであり、大変根気のいる作業となる。
「郷土玩具を大切にしながら張り子を高知県内に広めたい」という田村さんの想いから、2003年にお店を構えてはや数年。今では数々の旅館などからも愛される逸品となった草流舎の張り子は、その愛らしい姿の中にしなやかな力強さを秘め、多くの人の心を惹きつけて止まない存在となっている。