竹林寺

高知県民には親しみのある五台山。子供の頃に遠足などで一度は登ったことのある人も多いだろう。ここ「竹林寺」は、その五台山の頂上近くにあり弘法大師が修行をした四国八十八ヶ所霊場の三十一番札所として有名な場所だ。

竹林寺の歴史―
神亀元年、聖武天皇が文殊菩薩の聖地として名高い中国の五台山に登り、文殊菩薩から教えを授かるという夢を見た。そこで行基というお坊さんに、中国の五台山に似た山を日本で探し、お寺を建てるよう命じる。その後、当時大島と呼ばれていたこの山を見つけて五台山と名前を変え、ここへ竹林寺が建てられたという。
また、江戸時代には学山(学問寺)としても知られ、高知県内から学問を学ぶために僧侶たちが集い、学問文化の中心地となっていた。修行僧の中には「よさこい節」でかんざしを買ったと歌われるお坊さん、純信もいたといわれている。
竹林寺

風情のある庭園―

実はこの竹林寺には県下三名園にも数えられる素晴らしい庭園がある。「眺めているだけで、まるで京都へ行ったように感じる」という観光客もいるほどだ。しかしその庭園が境内の中にあるために、見落としてしまうことが多いことから、残念ながらあまり知られていないという。
四季それぞれに趣が変わって大変風情があり、のんびりと風の音を聞きながら過ごせば時間を忘れてしまいそうな美しさ。季節ごとに足を運び、心落ち着くひとときを味わうのもおすすめだ。

お寺本来の姿を目指して―

お寺には初詣の際にしか足を運ばないという人も多いのでは?普段からお付き合いがないと、少し敷居の高さを感じてしまうもの。しかし本来お寺とは、「祈り・学び・楽しみの場」と考える現住職・海老塚さん。昔は伝統芸能や個展が開催されるなど、芸術を発信する場としても市民から親しまれる場所であったはず。竹林寺も「集いの場・開かれたお寺」でありたいという思いから、海老塚さんはイベントを開催するという新たな試みを始める。当初は変わったお寺だとも言われていたが、現在ではその輪が大きく広がり、音楽イベントや環境問題のシンポジウムなども行われるようになった。若い人から年配の方までが気軽に集える場となった今、お寺の文化財や雰囲気などをより多くの人に見て、感じてほしいと願っている。夏休みには小学生対象のサマーキャンプ「一日一休」も開催。子供たちがお寺のことを学びながら楽しい思い出をつくる機会として最適だ。

竹林寺

ひとあじ違う魅力を―

竹林寺

地元のほとんどの学校が遠足で、五台山に登り竹林寺を見学する。そのためここは、高知で育った県民の誰もが懐かしさを感じる場所といえる。お正月には、金と銀の水引が飾られ「一粒万倍の種銭」と書かれた五円(ご縁)玉や、お財布を威勢よく振舞う“お福分け”という行事もあり、この活気溢れる雰囲気も他ではなかなか味わうことができない。
大人になり、自分の子供とともにあらためて足を運べば、幼い頃には分からなかった文化財の美しさ、豊かな自然の素晴らしさ、そして竹林寺ならではの魅力をきっと感じるに違いない。

竹林寺[Chikurinji]
竹林寺
情報
高知市五台山3577
TEL:088-882-3085
P有
HP:http://www.chikurinji.com
地図